【坂と階段】軽子坂:神楽坂に平行してのぼる急坂

神楽坂といえばメインストリートであり「神楽坂通り」の名前も持つ、神楽坂の坂を飯田橋から登るのが「らしさ」を味わえるエントリーでしょう。

しかし、神楽坂に平行して登る軽子坂を登っていくのも悪くありません。実際、かくれんぼ横町などのピンコロ石の敷き詰められた風情のある通り(いかにも神楽坂らしいと写真にもよく使われる)に入るのは軽子坂のほうからが行きやすかったりします。

坂は神楽坂の傾斜と比べればややゆるやかですが、実際に歩いてみるとなかなかの急な坂です。

坂の途中にある新宿教育委員会の解説では

・新編江戸志や新撰東京名所図会にも登場する坂であること

・軽子、は「軽籠持」の略称であること。

・飯田濠(現在はラムラのあるところ)にかつて船着場があり、船荷を軽籠(縄で編んだもっこ)に入れ、江戸市中に運搬することを職業とした人がこの辺りに多く住んでいたことからその名がつけられたこと

などが説明されています。この坂を下ったところには、かつて揚場(海のほうから船で荷物を運んできて下ろす場所)があったのです。今では信じられませんが、江戸時代の水運を忍ばせます(ちなみに軽子坂に面したエリアは「揚場町」といい、かつてのお堀のほうは「神楽河岸」という町名で当時の雰囲気をとどめています)。

写真にはギンレイホールが映っています。都内に残る数少ない名画座のひとつでした(神楽坂はかつては映画館をいくつか有する歓楽街でした)。建物の老朽化により2022年11月27日で閉館していますが、館主には再稼働の意思があるようで、移転再開あるいは建て替えによる現地での再開を期待したいところです。

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