さて、この写真を見て「おお、いい坂!」というか、何の変哲もない写真と思うかはあなた次第。でもよくみると、塀の石垣(水平に石を積む)が奥に従いズレていくので、この道は坂だということが分かります。場所はこのあたり。若宮八幡の裏側、という感じでしょうか。クランクした道って最近ではあまりないので、たぶん古いのだろうなと想像させます。
ここは「新坂」の一部。近くにある坂の案内では「『御府内沿革図書』によると、享保十六年(一七三一)四月に諏訪安芸守の屋敷地の跡に、新しく道路が造られた。新坂は、新しく開通した坂として命名されたと伝えられる。」と書かれています。
試しに東京歴史MAPMAPで江戸の古地図を開いてみると、若宮八幡の横にクランクした道が描かれています。 https://mapmap.tokyo/tokyohistorymap/?c=35.69985119,139.73931849,18
なんてことのない細い道、しかもクランクして車が通りにくい道ですが、江戸時代からある、と思えばちょっと違って見えますね。道沿いにある家も、何度も建て直したりしているのでしょうが、この道筋だけはそろそろ300年を迎える歴史があるわけです。もう一度見返してみると、印象が変わってきませんか?
神楽坂と言えば「坂」と「階段」が魅力でもあるので、これから少しずつ全部紹介をしてみたいと思っています。まずはマイナー坂からのご紹介でした。

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