登録有形文化財(建造物)という仕組みをご存知でしょうか。国宝とか重要文化財というほどではないけれど、地域にとって価値がある建物を「登録」して、できるだけ保全していこうという取り組みです。税制優遇が少しありますがそれほど強力ではなく、一方で内装のカスタマイズが可能で民営の活用を推奨しているなどの特徴があります。
神楽坂エリアにはいくつか登録有形文化財がありますが、そのひとつでもっとも有名なものがこちら。「アユミギャラリー」です。2階に建築事務所、1階が貸しギャラリーとなっています。下記にリンクを紹介してある文化庁のページでは解説をこう記しています。
「早稲田通りに南面する敷地に建つ。切妻造桟瓦葺の主棟の西北に切妻屋根を突出する木造2階建。ハーフティンバー風の外観で、通り側には出窓を設ける。内部は方杖や梁など木部を現す。イギリス田舎家風の穏やかな外観が神楽坂界隈の景観に潤いを与える。」
(文化庁ホームページ)
ハーフティンバーを簡単にいえば、木の柱がむき出しで見える形になっている建物の様式だと思ってください(写真をみると分かりますよね)。イギリスの建築様式のひとつですが、なかなか国内ではなく、珍しい建物なのだとか。文化庁データベースでは昭和29年としているので1954年。もう少しで築70年ということになります。
この1階、アユミギャラリーの名の通り貸しギャラリーです。アーティストさんが週替わりでいろんな展示をしているので、開催期間中は建物の中にお邪魔することができます。もちろん展示物の鑑賞もしつつ、建物の鑑賞もできちゃうのがいいですね。
早稲田通り(このあたりになると神楽坂通りと言う人と早稲田通りという本来の名前を言う人が混在し始める)の拡幅計画がちょっと気になりますが、できるだけ長くこの地に残って欲しい建物のひとつです。
場所はこちら
登録有形文化財としての登録情報はこちら。
文化庁 国指定文化財等データベース 高橋建築事務所社屋 https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00008657

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