(この桜の写真は2023年のものです)
今回の桜は番外編ということで。なぜならここを神楽坂というのはさすがに図々しいかなと思うので。でも、あまりにも見事だったので記事にしちゃいます。
場所は、というと飯田橋駅から東へ水道橋駅にはたどりつかないあたり。どっちかといえば水道橋駅側ですね。神田川は飯田橋駅東口のところで流路を変え総武線に沿って東に進みます。ここ、ちょっと」おもしろいのは、上流の流れが1つ、下流への流れが2つに分かれることです。上流の2つの流れが1つに集まる、じゃないんですよ。
理由は江戸の発展に伴う河川の流路変更でした。もともとの川筋は、この「三叉路」のところから南下し、九段下のほうへ向かっていたようです(古川)。これが江戸初期に何度かの工事の末、飯田橋から東へ向い、お茶の水を抜けていくようになりました。伊達家に工事を命じたというエピソードは有名ですね。
実はこのときから江戸期にかけてはこの三叉路はなく、神田川は東へだけ流れていました。じゃあ、古川のほうは、というとふさいでしまいました。つまり江戸時代は三叉路状態ではなかったわけです。
ところが全部埋めたというわけではなく、400メートルくらい南下したあたりで水路が復活しています。日本橋のほうからさかのぼった掘留ということで、今も残る「掘留橋」のあたりまでは水が来ていたのです。
それをなぜか明治中期くらいにもう一度つなぎなおします。なかなかおもしろいですね。この枝垂れ桜がポツンと立っているところは、川の流れが変えられたり復活したりする、不思議なスポットでもあるわけです。
中央区立京橋図書館 郷土室だより No.155に記載がありますが前後の記事もおもしろいのでご参考まで。
……ついつい余計な話をしてしまいました。桜の話に戻りますと、このあたりは南側に遮るものがないためか、日照も良く、毎年見事な桜を披露してくれます。冬は立ち枯れているかと見まごう枝が一気に開花し咲き乱れるのは感動ものです。車窓からもちらっと見えますので、東京から新宿方面に向かっているときはぜひチェックしてみてください。
※最初はこの鉄道の橋脚がけっこう古いものですよ、という話をしようかと思っていたのですが、話が長くなってしまうので、そのエピソードは来年また写真をアップするときに残しておくことにします(笑

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