2026年8月23日
泉鏡花と北原白秋が同じ場所に住んでいた?
泉鏡花といえば神楽坂の近くに居を構えていた尾崎紅葉に師事し紅葉宅に書生として寝起きしていた時期があり、また神楽坂芸者と結婚するなど、何かと神楽坂に縁のある作家ですが、東京理科大の敷地に旧居跡があることをご存知でしょうか。場所はこのあたりです。新宿区指定史跡として碑と説明版があります。
昭和36年3月からここに後に結婚する芸者桃太郎と同棲をしていたとあります。師匠の紅葉に叱られ一時は同棲解消するものの同年10月に尾崎紅葉が亡くなったこともあって、正式に妻として迎え、昭和39年7月までここにすんでいたそうです。なお、泉鏡花は転居の多かった作家としても知られていて、番町(麹町駅近く)のほうにも旧居跡の碑が残されています。
そしておもしろいのは同じ場所に昭和41年10月から翌年10月まで北原白秋が住んでいたというのです。こちらも時間は1年くらいと短いですが、同じ建物に、後の歴史に残る文学者がふたり暮らしていたというのはおもしろいですね。
残念ながら建物はまったく残っていません。今は東京理科大の敷地だと思われますが、おそらく東京大空襲で神楽坂も焼かれたときに消失したのではないでしょうか(関東大震災時には神楽坂はほとんど被害がなかったと言われますが、大空襲のときは、神楽坂エリア一帯は文字通り丸焼けになったと記録があります)。
今は旧居跡をしのぶわずかな痕跡に思いを馳せるのみです。
